小さな町の小さなお店は

客同志がぶつかる程窮屈な狭さでした。

一人分のセットを注文し

席までトレーを手に持って運んでいると、

急に入り口から若いキラキラした女性が店内に勢いよく入って来ました。

『ドンッ!』

ハンバーガー ポテト 惨め

私ににぶつかると同時に

トレーからハンバーガーセットが床に落ち

「あっ!!!!・・・・・」

娘が、びっくりして床に散らかったポテトに手を出して

残念そうにしゃがんで眺めていました。

拾って食べないよう娘をなだめ

床に落ちたセットかがみながら拾う私たち‥

そんな事をしている自分達の姿

なんだか惨めに思えてきたら涙が

「もう二度と買えないかもしれない」

と、おもいながら

娘がもったいなさそうに床に散らばったポテトに手を伸ばした時

「お客様・・・」

それを見ていた店員がカウンターからやってきて

「新しいものとお取替えいたします」

そう言って新しいセットを持ってきてくれたのです。

私は感謝でいっぱいになり、また涙‥

嬉しくても悲しくても涙ばかり。

でも、嬉しい時の涙と、悲しい時の涙は

味が違うような気がするのはわたしだけでしょうか‥

有難くセットを受け取り

席について娘に食べさせました。

私は単品のハンバーガーをほおばると

涙と混じったしょっぱい味。

この24時間の間に、どれだけ泣いているのか‥

自分で情けなくなるほど、

気を抜くと綺麗な空を見てもが出てしまう。

周りの人のひそひそ声も落着いたので

私は買って来た求人誌をめくりました。

”住み込み””介護”の求人をじっと眺めていると

これから先、家、食事、お金、保育園・・・

どうやって

この子とココと

生きていけばいいんだろう‥どこでどうやって

頭の中を”不安”がグルグルと渦巻き

自分たちのこれからの生活をどうしていったらいいのか

この身動き取れない状態

この不自由な状態で‥

お財布のお金と、自分たちの生活を考え、

娘を抱え、ココを抱え、

行き場が見当たらず、

答えの無い不安が重く私を包み込んでいました。

 「ママ〜。。。おいしいね」

娘の声に、ハッ!として、

「そうね!おいしいね!持って来てくれた店員さんに「ありがと」帰りに言おうね」

「うん!いう!

・・・ありがと」

・・・娘の笑顔を・・・

守らなければ・・・

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投稿者

あゆむみらい

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