『シェルター・・・
全国には100以上のシェルターがある・・・
公的と民間の運営があるのね。
シェルターの場所は被害者の保護のため明かされていないんだ・・・
あくまでも一時的な避難場所という場所だから長くは居られないのね・・・
色々入所には条件があるみたい・・・』
娘の寝息を確認しながら私は、役所からもらってきたシェルターの用紙に目を通しました。
まず、何から先に取り掛かればいいのだろう・・・
仕事探し?・・・
住所が決まらないと就職って難しいだろうな・・・娘を保育所に預けて。送り迎え出来る仕事場じゃないと・・・住み込みなら仕事先も住所も両方片付くかも・・・
家探し?・・・
1日2日位探したくらいじゃ見つからないだろうな・・・私一人じゃないし、、2歳児と犬が入居出来る住まいじゃないと・・・
保育園か・・・
住民票をきちんと決めないと入所まで行かないだろうな・・・
・・・じゃあどうすれば・・・
もう一度初めから、、整理して、、、考えなきゃ・・・
娘を保育所に入所させるには住所が必要。
住所を決めるには家を探さないと。
家は二歳児と愛犬が住める物件で、保育所やスーパーまで車が無くても行ける所で家賃が安い所。
仕事は、保育所と家、そしてスーパーに車が無くても行ける距離。
雨や雪の日でも通える距離・・・
・・・そんな思っているような場所が、あるのだろうか・・・
考えれば考えるほど、何から手をつければいいのか分からなくなる。
『すー・・・す~・・・』
娘の寝息を聞きながら、頭の中でフル回転しながら考える私。
何時間か考えあぐね、うつ伏せで眠りそうになった時
浅い眠りのなかでこんなことが思い浮かんで来ました。
『娘の名前・・・漢字は夫が選んだ。まだ娘は自分の名前を漢字で書いていない。
私がもう一度名前の漢字をつけ直すことが出来るかしら・・・』
いつしかそのまま眠ってしまい気づけばもう朝。
娘にほっぺを触られ、愛犬がもう片方のほっぺを・・・
私は眠い目を開けるとシェルターではなく、娘の名前をつけなおすことを真剣に考え始めていました。
『本で調べてみよう・・・図書館と本屋に行こう』
支度を済ませるとこの日は
「娘の名をつけなおすことが出来るか」
という答えを求め
弟のマンションを出発しました。