足元の落ち葉が渦を巻く風が吹くと
その様子に驚いた娘が私に駆け寄ってきて腰にしがみつきました。
「・・・ママ~・・・お腹グーグー」
無我夢中で本屋に向かったのは午前中だったというのに、、
お昼はとっくに過ぎ、もう間もなく夕方にさしかかるような時間帯・・・
「もうこんな時間!ごめんね・・・お腹すいたよね。帰ってごはんにしようね・・・」
空は急に暗くなり、突然鳥たちがバタバタと頭上を飛び交っていくと
さっき止んだはずの雨が再び降り始め、、
””ザーザーーー・・・””
激しく音を立てながらあっという間に公園の遊具や木々を濡す・・・
私は急いで傘をさし娘を抱き上げ公園を発つ・・・
狭い道路を行き交う車は水しぶきをあげながら勢いよく走り、
私は娘を左腕に抱え水たまりを避けて歩道の端っこを歩きました。
『娘を保育所に送って職場まで歩くようになるのね、、
今日のように雨の日だって朝も遅れるわけにはいかないんだ・・・
家から保育所、保育所から職場・・・雨の日、雪の日・・・どんな天気の日も・・・
雨が降るだけで、こんなに普通より疲れるんだ・・・
抱っこして歩くのも傘を持ちながらだし、視界が狭いから気を付けないと、、。
左手に娘、右手に傘で両手が塞がってしまうから、手荷物には限界がある・・・
これが太陽が出ている晴れの日だったら・・・』
どんなに歩道の端を歩いても、靴や靴下は雨でびしょ濡れになり
弟のマンションにつくまでには雨で濡れた身体は体力を消耗していました。
”晴れている日”
たったこれだけでも、車の無くなった私には有難い日と感じるようになりました。
グーグーとなる娘のお腹の音を何度も耳で聞いて
帰る途中にある飲食店を横目に見ては一瞬考えるも、
今あるお財布のお金をなるべく減らさないようにするために
労力と時間を使い節制している自分が居ました。
『本当は今すぐにでも何か食べさせてあげたい・・・』
自分のしていることは正しいのか、、・・・自分との葛藤。
弟のマンションに着くと
留守番していたココが嬉しそうに駆け寄って来ました。
喜びを身体全体で表現してくるココの姿はとても愛おしく思えてなりませんでした。
「ただいま。ココ」
娘の濡れた髪を急いでタオルで拭き、洋服を着替えさせると冷蔵庫の食材を確認。
すぐさま料理に取り掛かり、15分後には食卓へ。
それでも公園の砂場から計算すると、時間は1時間以上経過していました。
「おまたせ、お腹すいたよね。よく我慢してくれたね、本当ありがと」
些細な事だけれど、しつけや礼儀、作法やあいさつは押しつけではしたくないと私は考えている・・・
どんな時も当たり前にしていればそれが習慣になるはずと信じて今日も実行。
だってそれは2歳の娘にしつけをしているのではなく、
2歳の娘に
『母親にしてもらっている』のだから・・・