湯ぶねから上がりバスタオルで身体をふいて

娘の、

肩まで伸びた髪の毛に手ぐしを入れながら、

ドライヤーで乾かす‥

こんなひとときにも、幸せを感じる私‥

当たり前のことが、当たり前に出来ることの幸せ。

当たり前がどれほど貴重なことなのか‥

改めて噛み締めていました。

夜8時過ぎ‥

『あまり遅い時間にならないうちに弟の携帯を鳴らしてみよう‥』

「‥もしもし?私‥今電話大丈夫?

あの‥、、色々と、ありがとう‥

疲れたでしょう‥身体休めてね。

マンションを使わせてくれて、、本当にありがとう。

本当助かった。それで、いつ頃まで使って大丈夫か聞いておこうと思って‥」

弟の付近に誰かいる気配を感じながら会話を続けていると

突然別の人に代わり

「お姉さんですか?こんばんは。」

弟の婚約者の少し強い口調の声‥

そして言われた言葉の節々で、

好ましく思われていない事は十分過ぎるほど理解できました。

私が笑って適当に流せる性格だったら良かったのかもしれない‥

しかしそうではなかった為、

私はわかって欲しくて話しをすると

心外な言葉が返って来ては

返答する声はお互い大きくなり‥

近くにいた娘は、

内容まではわからなくても、

あまり良い会話ではないこと位、幼くても悟っていました。

質問され、

娘の前で聞かれたくない言葉も出て来る

私の心臓は音を立てました。

電話の向こうに向かって、

泣きながら訴えている私をみて

ココは涙を拭いに‥

娘は心配そうな顔をしながら私にしがみついてきました。

私は

『‥‥はっ!!!』として、

自分の口を押さえました。

冷静になって考えれば

私の立場になったことがない彼女(婚約者)に

今の私のどん底な気持ちを察することなど

出来るはずがないのだと察しました。

結婚を控えた婚約者にとって、

義理の家族の『離婚』は良くないイメージで当たり前の事。

いくら言い方をかえて表現したとしても

悪いイメージが出来上がってしまっている以上

何を言っても言い訳にしか受け取れない‥

『弟のマンションだし、弟が良いと言ったら少し落ち着くまで居れるのではないか‥』

と安易に考えた私の認識が甘かったのです。

「‥そうですよね。‥わかりました‥」

気まずい雰囲気の中、静かに通話を終えました。

「ごめんね‥ママが泣いてたら心配になるよね‥」

私は娘をしばらくの間

言葉もなくギュッと抱きしめ

声を出さないように

娘の背中を借りて嗚咽していました。

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投稿者

あゆむみらい

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