だいぶして落ち着くと

布団を押し入れから出し

和室の客間に敷きました。

〝トン‥トントン‥“

娘の横に添い寝しながら

色々なことが頭の中を巡り

家が無い、

‥お金が無い・・・

仕事は住み込みとかじゃないと無理なのかもしれない・・・?

を連れてを連れて住まわせてくれる場所なんてある・・・?

3度の食事・・・

娘を保育所に通わせられる場所・・・

きちんと給料をもらえる仕事を探さないと、、、

娘を食べさせてあげられない。

ココを飼える家を探さないと・・・

明日、

朝起きたら本屋へ行ってみよう。

そして求人誌を探そう

このマンションには長居出来そうにないから・・・

弟に私たちの事で迷惑がかからないように、早くここを出なきゃ‥‥』

目の前で眠りにつく娘の布団を直しながら考えていました。

目をつむると

あっという間に朝になり、

布団の中で自分の自分の身体が少し痛いのを感じていました。

手のひらをパーっと広げると、

しわの部分がガサガサで

パックり割れて血がにじんでいました‥

『急いで荷物を運んだせいね‥

夢中で運んでる時は痛くても気にならなかったのに‥』

それでも疲れた身体を布団から起こすと

朝の支度を始めました。

「ママ〜。おはよう」

娘は起きるなりお気に入りのおままごと用のおもちゃで

野菜をサクサクッと包丁で切る素振りを始め

ココは歯磨きガムを噛んでいました。

「はいはい、ごめんごめん。

ママが準備しないと始まらないね」

秋の日差しのなか

マンションの自動ドアを出て

土地勘が全くない、

右も左もわからない街を歩く‥‥

それでもタクシー代でお金を使わないよう

歩いてマンションまで帰って来たいから

ガラケーを握りしめて、

目印になりそうな物を写真に撮りながら

娘の手を引き歩く‥

道行く人に駅の方向を尋ねながら

15分位歩いたころ・・・

小さい駅の前の、小さい本屋を見つけ

求人誌をパラパラめくり、住み込み求人を探しレジへ。

『本屋を出たら近くのハンバーガーショップで娘に何か食事させよう。』

店内へ入ると娘と繋いでいた手を離し

バッグの中からお財布を取り出すと

自分の財布の中身を見てため息がでました。

『これが私たちの命の期限なんだ‥

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投稿者

あゆむみらい

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