『本当はもうしばらくここに居させてもらいたかった・・・』
本音はそう思っていたけど・・・
父と話したことでこの場所を離れる決心をし、
弟のマンションで使用した家具や寝具を整えはじめると心も決まり、
キッチン、お風呂、トイレ、洗面所の掃除に取り掛かりました。
『髪の毛やココの毛を残さないようにしないとね。』
娘のおままごとのスペースを最後まで残しておいて、そこで遊んで居てくれる間に
ココの使用したゲージやおトイレ、水飲みの容器をきれいに片付けました。
私たちの居た形跡を残さないように念入りに・・・
『やっと少し休めたと思ったのに、また次の場所へ移らなければならない・・・
しかもこの場所は自分の兄弟、、『弟』のマンションだったから居ることが出来たけど・・・
次はどうなるんだろう・・・
この場所のように安全だろうか・・・
もう外に出てしまたら自分の『勘』だけが頼りとなるのに。
私の勘だけなんて、頼り無さすぎる・・・
不安過ぎて泣きそう
何もかもが不安・・・これから先がどうなるのか怖い・・・本当は叫びたい・・・
でも・・・
私はこの子のお母さんなんだ。
ココの飼い主なんだ。
私がしっかりしないと、、、
・・・だけどやっぱり怖い・・・』
・・・折れそうになる心を何度も奮い立たせて、奥歯をかみしめていました。
『・・・弟にメールをしておこう』
”マンションを使わせてくれて本当にありがとう。
とても助かりました。迷惑かけてしまってごめんなさい。
彼女にも謝っておいてね・・・
姉より”
不安定な心を悟られないよう精一杯気丈に振る舞った文面を送信すると
さっきまでざわついていた気持ちの波が静かにおさまりました。
『やっぱり行くしかないんだ・・・
本当は怖さと不安だらけ・・・
でも、、、前に進むしかない・・・
自分でやるしかないんだ!』
娘が部屋の片隅でジブリの歌を歌っているなか、
私はひたすら掃除と荷物まとめをし、また出発する準備を整えていました。