私は耳を疑いました。

”えっ・・・?いま・・・”嘘”って言ったの??・・・”

そして、その相談員の口から吐いた”嘘”という言葉が脳裏に刻まれ・・・

私はそんな言葉を言われるなんてとても信じられなくて、、

眼光を見開き耳もすまして、もう一度その相談員の話に集中しました。

「あの・・・」

『ですからね・・・冗談や嘘の話されても、こちらは困るんですよ・・・ちゃんと本当の事を言って頂かないと』

「あの・・・全て本当の事なんですが・・・」

『う~ん・・・大袈裟にものを言われちゃうとねえ。

・・・そんなに大変な事あった人には見えませんよ・・・

悪いこと言わないから、喧嘩して家出でもしたなら早いとこ謝って、

暗くなる前におうちへ帰ったほうがいいですよ。』

「信じて頂けないんですか・・・?」

『信じるも何も・・・そんな話聞いたことないし・・・。普通に考えてありえないでしょう』

「・・・・・・・!!!」

『ね・・・お母さん。子供さんも居るんだから、嘘ついたりしないで、素直に謝ってしまえばさ、許してくれるよきっと。』

「・・・私・・・嘘なんかついていません!

・・・全部本当の話です!

行くところが無くて、困ってこちらに来たんです。・・・本当に、今日泊まる場所が無いんです・・・信じて下さい・・・」

『えっ・・・??嘘でしょう・・・??本当なの?

後で嘘だとなったら大変よ?』

「・・・嘘なんてついていません・・・・・・・」

『これは大変だわ!もうすぐ閉館の時間だし、、、えー--っつ!!〇〇さーん!大変、、本当なんだって!!』

急に慌てて席を立ち、他の人に助けを求めにその相談員は奥へ走って消えていきました。

私はこの時、とてつもない屈辱と共に失望感を覚え、

同時になにか沸々と自分の内側に湧き上がる熱いなにかを感じていました。

『本当に困っている人を、役所って・・・疑うの?

・・・日本のセーフティーネットを信じて足を運んだのに・・・』