思えば、自分たちの住むアパートの中に閉じ込められているかのような生活、、

監視されていなくても動くことが出来ずにいました。

なぜ動けなかったのか、、

それは1人ではなかったからです。

大切な娘、、

そしてまだ幼い子犬の愛犬‥

この時期、普通の家庭なら成長してゆく我が子の成長に目を細め、幸せな気持ちで毎日を過ごしている事でしょう、。

しかし現実は違いました。

結婚から2年、私が描いていた結婚生活とはまるで真逆な毎日でした、、

私の実家が数年前に無くなっていたのを知っていた旦那家族は、私のこういった背景を知りつつ

「結婚式も披露宴も高額のお金がかかるからすべきではない」と言い出したのです。

そんなことを言われているのに私自身は信じて疑いませんでした、、。

なぜなら夫の家族と私の家族は、私達が7歳の時からの知り合いだったからです。

それがあったからこそそれほど昔から知っていた家族なのだから、私が数年前に実家を失って苦労して暮していた事実を知っているのだから、私を陥れたりなんて考えるはずが無い!』と思っていました。

しかし、それは浅はかでした、、

私が実家を無くしたことで、失ってしまった学生時代のアルバム年賀状、数々の思い出の品を夫の実家で目にした時、懐かしさ嬉しさが込み上げてきた私は

『共通の思い出がありたくさんの幸せを分かち合えるかもしれない』

錯覚していました。

そして夫とその家族を信用してしまった1番の理由は、私が7歳から19歳まで大事に使っていたピアノと、小学校入学の時に亡き祖父からもらった腕時計の存在でした。

私の実家が人手に渡る時、リサイクルショップに二束三文で買い取られ、どこに行ったのか見当もつかなかったピアノと腕時計を彼らはどこからか探し求め、夫の実家に買い戻してくれていたのです。

その二つの存在に触れたとき、私は嬉しくて心底感動し、ピアノの蓋を丁寧に開け、腕時計を左手首につけ、大好きだった曲を何時間も弾いていました。

もう二度と弾くことが出来ないと思っていたピアノ‥

その鍵盤をまた自分の指で弾くことが出来るなんて‥‥

そして祖父からの腕時計。

笑顔で私を抱えた祖父の表情が浮かび、

私を連れて出掛けてる時繋いだ手の温もりを思い出すと

嬉しくて、、ただ嬉しくて‥‥

ピアノを弾きながら涙が止まりませんでした。

『私の大切なものを探して買い戻してくれるくらいの人だから、きっと私を愛してくれているに違いない!』

そう信じて疑いませんでした。

ところがいざ書類上の手続きが整い、結婚生活が数ヶ月過ぎる頃には、つい先日思い描いた幸せな生活とは真逆の現実が始まり、

夫が結婚前に見せていた実業家の姿も全てフェイクでした、、

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投稿者

あゆむみらい

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