私は家の中から証拠品を探している刑事達を前に娘を抱えたまま、ヘタヘタと床にしゃがみ込むと
今までの夫との結婚生活が走馬灯のように過ぎりました。
その日食べるお米さえも無いような状況の中、
何も知らない私の母親が、娘の顔を見にアパートに足を運んでくれる時に
お米や野菜を持ってきてくれたので、何とか食いつないでいるような生活をしていました。
喜んで娘をあやしている私の母に、夫の会社の経営状態、お金が無いなど話を切り出せなかった‥
その上、つい数日前には、夫の愛人だと名乗る、
私の同級生がアパートを訪ねて来て、
「あんたがちゃんと相手しないから、私が面倒をみてやってるんだ」
と、私を罵りにアパートにやって来る出来事もあったばかり‥
同級生と浮気。
とても屈辱的でした。
収入源である夫の会社の経営状況は最悪‥
毎月が自転車操業状態で、売上の回収金が入ると、従業員に給料を支払い、
手元にはわずかなお金しか残らない生活。
そのわずかなお金さえも会社の経費となって一瞬で消え、
役員報酬などというものは会計上の処理だけの見せかけの数字を計上し、
給料日に現金が振込まれることはまず無く、
私たち家族の生活に回せるお金は、ほぼ毎回残っていない現状でした。
それなのに、夫は同級生と浮気をして愛人に時間とお金を使っていたことが発覚したのです
。
「会社がなくなったら食べるお金が入ってこないのだから、会社が最優先だ!」
夫はいつもこんな調子でした。
結婚式も挙げていません、、
入籍して1カ月も経たないうちに、強制的に夫の連帯保証人にさせられました。
“妻になったから”という理由だけで‥
義母は「妻になったんだから保証人になるのは当たり前!当然なの!」と言い、
クレジットカードのキャッシングすら一度も利用した事が無かった私を、金づると化しました。
私の大事にしていた信用情報は、
義母と夫の手によって瞬く間に汚されて‥‥
義母に地元の信用金庫の融資窓口に連れて行かれると、支店長室に通され、
「ではこちらに直筆でお名前と実印の押印をお願いします」
流れ作業のように事は進んで行き、用意された書類に私の実印を押すよう促されました。
私はこの後、何件もの金融機関の融資の連帯保証人としてサインをさせられていくことになるとは、この時はまだ知る余地もありませんでした。
夫の性格は、一人っ子で甘やかされて育ち見栄っ張りでした。
自分の財布にお金が無くなるとバタバタ騒ぐひとでした。
賃貸アパートの壁に八つ当たりしてこぶしで穴を開けてみたり・・・
「お金がない!お金が必要だ!」と騒ぐので、私が他の働く方法を提案しても
「俺は会社をやっている社長だ。そんな仕事は出来ない。見られたらどうするんだ!」と叫び、夜になると見せかけの自殺行為を繰り返して私に見せていました。